![勝手気ままに映画レビューのタイトル](../image/title.gif)
「ワールド・トレード・センター」
(2006年 アメリカ 129分)(あらすじ)
2001年9月11日、港湾警察署のベテラン巡査部長ジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)と署員のウイル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)らは、同時多発テロの被害を受けたワールド・トレード・センターへ駆けつけた。マクローリンとヒメノら5人はビルの中に入って人々を誘導するが、崩落によって内部に閉じ込められてしまう。
(レビュー)
6年前に起こった多数の犠牲者を出した9.11テロ。その中にはその危険な状況の中、自らの命を顧みず救助や誘導を行い犠牲となった多数の消防士や警察官達がいる。この作品はそんな絶望的な中、奇跡的に生還した2人の警察官と、彼らを助け出すために尽力した無名のヒーロー達の物語だ。
いきなりだがこの作品、正直つまらない。退屈だ。実際、9.11テロにオイラはかなりの衝撃を受けて、深夜を通り越して朝までテレビに釘付けになったのを覚えているが、テーマや事件の重さを作品の評価に繋げるのはナンセンスだと思う。衝撃的な事件を取り扱えば、より深みのある作品に仕上がるかもしれないが、これに関してはNOだと思う。確かに監督の言いたいことは分かる。実際あの危険な現場には命を懸けたボランティアが多数いた。それと事件に巻き込まれた犠牲者や救助された人たちの周りには、彼らの安否を心配するたくさんの家族がいた。そんな人たちにスポットを当てたかったのは十分感じえるところであるが、これは映画である。娯楽性やメッセージ性の薄いヒューマンドラマの題材に、果たして近年で一番インパクトのあった事件を引っ張り出してくる必要はあったのだろうか。救出場面などに一応の盛り上がりと感動はあったものの、あれなら別に地震の倒壊事故やトンネルの崩落現場でもよかったのではないだろうか。全くもって話題性以外に理由が分からない。次に3000人近くの方々が亡くなった中で、2人が助かった奇跡を取り上げるのは他の被害者に対する配慮も足りないし、ああ良かった良かったと素直に喜べないのはオイラだけではないはずだ。うっかり監督を引き受けてしまったオリヴァー・ストーンも、色んな人間に配慮して作ったのを感じさせ、手枷足枷はめられた状態だったのだろう。家族愛や救助の人達などのテレビでは描かれないヒーロー達の事実をテーマにすることによって、この重すぎるタイトルに対するとりあえずの回答はなされているものの、事実そのものを描くならいっそのことドキュメンタリーにしたほうがベターだったのではないだろうか。人々がこの出来事を消化するためには少なくともあと一世代分の年月が必要だろう。そういった意味では映画にするには時期尚早だったはずだ。この作品は作り手そのものよりも製作側の失敗だろう。
(2007年7月27日)
(嫁2行レビュー)
実話のせいか小さくまとまってましたね
誰にも感情移入できず、正直たいくつで寝そうでした・・・ネムイ(´・ωゞ)
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