「オペラ座の怪人」
(2004年 アメリカ/イギリス 140分)(あらすじ)
19世紀のパリ、オペラ座に住む伝説の男ファントム(ジェラルド・パトラー)の仕業とされる怪事件が多発。一連の事件は、彼が見初めた歌姫クリスティーヌ(エミー・ロッサム)をプリマドンナにするために起こされたものだった。
(レビュー)
この「オペラ座の怪人」(原題「THE PHANTOM OF THE OPERA」)は1910年にフランスの小説家、ガストン・ルルーが発表した怪奇小説「Le Fantome de l'Opera」を原作に、20世紀前半より何度も映画化、テレビ上映された作品であり、この2004年版は1986年のアンドリュー・ロイド・ウェバーによるミュージカルを元にしてこの作品は構成されている。
そういった理由によりこの作品は最初から最後まで歌、歌、歌である。セリフのシーンになりちょっと落ち着いたかと思わせておいて、いつのまにか歌が始まる。したがってミュージカルを映像化したというよりも、映画という広い舞台の中でミュージカルそのものが行われているといった表現のほうが的確かもしれない。こういった類の作品のため、激しく見る人間を選ぶことは間違いないだろう。おそらくこういったヨーロッパの古典的セレブリティが趣味とするミュージカルやオーケストラ、オペラに抵抗のある人には苦痛の140分かもしれないが、そういったハードルをクリアーしてしまえば歌や音楽、映像の美しさは圧巻である。ミュージカルでは決して表現できないモノクロの映像を含めながら、そのきらびやかなオペラ座とその舞台との絶妙なコントラストが素晴らしい。衣装、小道具にいたるまでとにかく豪華に作りこまれている。そしてこの作品の極めつけはやはりあの"オペラ座の怪人"のテーマだろう。何度も劇中で使われるあの音楽がいいスパイスとなって効いている。こんなに印象的なテーマ曲は"ダースベーダー"のテーマ以来の衝撃だろう。最後にこの作品は悲しき仮面の男の物語というしっかりしたテーマがあるものの、「アマデウス」とはちょっと違った音楽映画なので、オペラやミュージカルを見るつもりで挑むことをオススメする。(2007年8月26日)
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