「ミュンヘン」
(2005年 アメリカ 164分)(あらすじ)
ミュンヘン・オリンピックの最中、イスラエル選手団が何者かに襲われた。イスラエル側はテロリストの犯行とみなし、復讐を計画する。暗殺チームのリーダーに任命されたアヴナー(エリック・バナ)は、11人の標的を次々に消していく。
(レビュー)
この作品は実際にミュンヘンオリンピック中にオリンピック村で起こった、パレスチナゲリラによるイスラエル選手の襲撃事件を題材に描かれたノンフィクションサスペンスムービーである。今も尚、停戦合意が行われながらも繰り返されるパレスチナとイスラエルの報復の連鎖。その縮図がこの作品には凝縮されて描かれている。そのためハッキリとこの映画を理解したい方は、せめてイスラエルの建国の歴史やその周りのアラブ諸国との国との関係ぐらいは勉強してから見てほしい。そうすることによっていかにこの作品が悲しいサスペンスなのか理解して見ることができるはずである。ラストシーンにおける監督のメッセージをちゃんと受け取ってもらいたい。
DVDにて鑑賞したが「宇宙戦争」などたまにやらかしてしまうスピルバーグ監督であるが、これは久しぶりにいい意味でやらかしてくれちゃった作品。イイ!164分とひっくり返るぐらい長い上映時間に最初戸惑ってしまったが、久しぶりに時間が経つのを忘れさせてくれた。やはりこういうノンフィクションを描いた作品は有名な俳優を使ってはいけない。そういう大原則がしっかりと守られているために、序盤から素直にシナリオを楽しむことが出来た。またリアリティや緊張感も抜群である。中盤からの暗殺シーンはサスペンスの要素もしっかりと盛り込まれており、同じような題材の「シンドラーのリスト」に比べて事実関係や背後関係を知らない人でもサスペンスとして十分堪能できる内容だろう。また子供が誕生したり、暗殺のシーンなどではある問題が発生したりなど、人間がしっかりと描かれており感情移入ができる。この問題の抱える奥深さを、余すことなく緊張感に代えて映像化してくれている。ノンフィクション(一部はフィクションな部分もあるだろうが)をやらせればさすがスピルバーグである。今も現地で繰り返される終わりなき事実を知ってもらえれば、それだけでこの作品は意味があるだろう。秀作である。(2007年6月10日)
(嫁2行レビュー)
緊張感があって見ごたえあります
不勉強のためちょっと分かりづらかったのが残念(ノ△・。)
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