「コンフィデンス」
(2003年 アメリカ 97分)(あらすじ)
天才詐欺師・ジェイク(エドワード・バーンズ)たちが巻き上げた金は、暗黒街の大物・キング(ダスティン・ホフマン)のものだった。キングによって仲間の一人を殺されたジェイクは逃亡をあきらめ、キングと組んで詐欺をすることになる。女スリ・リリー(レイチェル・ワイズ)を加え、危険な賭けに乗り出したジェイクだったが思わぬ邪魔が入り……。
(レビュー)
タイトルの「コンフィデンス」。特に英語力のあるオイラではないが、パッと思い浮かぶ意味は信頼とか信用。しかしながら序盤の主人公のセリフの訳を見ると、どうやらここでは自信という意味で使われていた模様。確かに信頼とか信用じゃちょっと意味が合わんなと思いつつも、よく調べてみたら自信て意味のほかにコンフィデンスにマンをつけると(confidence man)なんと詐欺師という意味にらしい。なるほどニュアンス的にはそう意味も含んでたのかと、英語の訳の難しさを痛感してしまった。言語や文化が変わると一つの言葉にちゃんと合う言葉がなかったりするし、この辺は中々奥の深い問題だ。
さて物語であるが、序盤から中々面白く、いきなり観客全員をを騙してくれる。第一ラウンドにジャブで軽くダウンを喰らわされる。入り方としては最高だろう。ここで見ている側をグッと物語に取り込む事に成功している。そして場面はいきなり現在にもどり、回想という形で物語りは進むわけであるが、なかなかそのタイミングがよく、抜群のテンポで話は進み、飽きることなくコチラを楽しませてくれる。このストーリーを展開する上でのリズム感の良さはこの作品の最大の魅力だろう。またどうしても主人公やその仲間達に、華というかオーラが若干足りないものの、アンディ・ガルシアやダスティン・ホフマンが重要な役で起用され、下手をすると軽いノリのこの映画に一定のバランスを与えてくれている。「ニューオリンズ・トライアル」で誰がやっても同じような役をやったいたダスティン・ホフマンであるが、こういう癇癪もちのワルの役なんて、はまり過ぎて笑ってしまった。「ラッキーナンバー7」でちっともマフィアのドンに見えなかった、やさしいおじいちゃんのイメージのモーガン・フリーマンとは対照的だ。しかしダスティン・ホフマン、最近こういう1週間で撮影が終わりそうな脇役が多いのは気のせいなんだろうか、もう70(1937年8月8日生まれ)とはいえ、まだまだ頑張ってもらいたいものである。
さて、なかなかテンポよく進み、最後も痛快なこの作品であるがどうも最後はスッキリしない方も多いかもしれない。最初のジャブがなかなかいいパンチだったのであるのだが、最後にもう一度同じパンチを出されてもダウンは奪えない。こっちはデビューしたてのボクサーじゃないわけで、オイラも含めたサスペンス慣れしている人たちにとってはやっぱりそうきたかである。軽くバックステップでかわした方も多いだろう。しかしこういう映画は実はそういう謎解きを楽しむをタイプの作品ではない。オチが分かってヤッターとかつまらんではなくて、あくまで主人公達の痛快ぶりを楽しむべき作品だろう。タネは最初に見せてもらっているのである。最後にその仕掛けがどこで出てくるか、それを予測するのが楽しいはずで、まさしくコレは「水戸黄門」や「遠山の金さん」のおもしろさと楽しむ場所は同じなのである。こういう日本人が大好きなネタは、キムタクあたりでリメイクすると大ヒットすることは間違いないだろう。「HERO」なんかのテレビの焼き直しじゃなくて、是非ともこういった作品をやってもらいたいものである。
最終的な感想として、見終わった後になんか廉価版の「オーシャンズ11」だと感じたのは気のせいだろうか。どこか序盤の面白さの割には最後に物足りなさを感じさせるのはキャスティングの問題か、97分という尺のせいか、ま、見るのに困ったら大ハズシはないので手に取るのも悪くない作品だろう。サスペンス入門編としてはなかなかよい。(2007年9月18日)
(嫁2行レビュー)
二転三転するストーリーで最後まで楽しめました!が、
全体的に中途半端な感じで物足りなさはあります(。・ε・。)ムー