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邦画のレビュー

邦画はどうも苦手なんで自然と辛口に・・・。

明日の記憶

明日の記憶
47点
(嫁の評価63点)
  • (原題) -
  • (製作) 2005年 日本 122分
  • (監督) 堤幸彦
  • (出演) 渡辺謙、樋口可南子、坂口憲二、吹石一恵、水川あさみ
  • (ストーリー) ★★★☆☆ (エンターテイメント) ★★☆☆☆ (再見度) ★☆☆☆☆

(あらすじ)

広告代理店に勤める佐伯雅行(渡辺謙)は、平凡だが幸せな暮らしを送っていたが、ある日突然若年性アルツハイマー病に襲われる。あらゆる事柄をメモに取り、病魔と必死に闘い始める夫を、懸命に受け止め、慈しみ、いたわる妻(樋口可南子)。彼女は共に病と闘い、来るべき時が来るまで妻であり続けようと心に決めるが……。

(レビュー)

 邦画の苦手なオイラも、"お涙頂戴物"が実は嫌いじゃありません。ただ、よっぽどのことがない限り邦画をレンタルするはずは無いわけで、テレビ(日曜洋画劇場だったかな)でやってたんで一応は期待はしながら見やした。

 結論から言ってしまうと正直期待はずれ。

 当時「ラストサムライ」で世界に名が知れ始めた渡辺謙が、その勢いを駆って(勝手にオイラがそう思てるだけやけど)主演・総指揮を務めた作品なんだけど、彼自身が白血病という劇中と同じぐらい絶望的な死地から生還した経験があるせいか、どうも最初から最後まで力みまくっている印象。

 まず、病気発症前の渡辺謙演じる主人公がとにかく元気すぎて不自然。見ててあの阿部サダオばりのハイテンションは違和感タップリ。渡辺謙がやるとなおさらである。
そして病気発症後。おそらく実際の発病した人達を見て、動きなどを観察・研究して挑んだのは間違いないんだろうけど

 謙さん、眼力(めぢから)タップリ・・・

アルツハイマーで記憶が曖昧になって行く筈なのに、ちっとも目が死んどらん主人公はいかがなものだろう。まぁ、さすがはオイラが昔、大河ドラマの「伊達政宗」で見込んだ役者なだけはあるが、それでもしかしというべきか、でもね

 主人公が実はちっともボケてなくて、痴呆を演じているようにしか見えない。

ここがこの映画の致命的な問題。
"ホンマは嫁と分かれたくてボケたフリをしているどんでん返しの話かなぁ"なんて、途中から疑いながら見てたもののそんな訳もなく、そのおかげでちっとも話に入りこめませんですた(涙)。

やっぱりこのあたりが、ミスキャストだったのかな。もしくは寄りすぎのカメラワークが失敗だったんだろうか。せめて目だけでも、パーツタレントとして温水洋一さんに差し替えれば説得力があったかもしれない。(でも目が死にすぎ?)この辺は総指揮まで関わってしまった弊害が出てしまったんだろうか、監督に全部まかせときゃぁよかったのかも・・・。

 もう一つこの作品、ストーリーに関してもちょっと注文をつけたい。
バリバリに家庭を省みずに働いていたサラリーマンが、アルツハイマーになって会社からも追われ、自分自身も日々衰え行く自分の姿に絶望し、自暴自棄になる。献身的な妻に支えながらそれでも前に進んでいく姿は、一見けなげで感動的で綺麗なんだけど、オイラにはいかにも男性目線なストーリーで共感できなかった。
この作品で描かれるのはとにかく主人公の衰えぶりが中心で、本来、大変なはずの妻や家族のの奮闘振りがスッポリの抜け落ちているのが残念。どうも介護のリアリティのような物が損なわれているのを感じさせられた。妻目線で描けば感動できたものをあえて夫目線で描いてしまったために、万人が涙するはずだった感動がどこかに行ってしまった。夫婦二人でこの映画を見てしまうと、感動しているダンナの横で、なんじゃこの都合のええダンナは!?と奥さんの捨てゼリフが聞こえてきそうな気もするのはオイラだけだろうか。
あげくの果てにはあのオチではオイラ的には不完全燃焼。
焼き物の話とか娘の結婚式とかのエピソードにしても、いかにもというような感じで安っぽかった。やっぱりちょっと期待しすぎたのが失敗だったのかな。

 最後にオイラがこの病気になったら嫁は間違いなく放置プレイでしょう(笑)(2007年8月6日レビュー、2008年10月25日加筆)

(嫁2行レビュー)
  渡辺謙さんの演技は硫黄島もそうですが、なんだか入り込めません
樋口可南子さんはよかったですね(*'-')b

キサラギ

キサラギ
90点
  • (原題) -
  • (製作) 2007年 日本 108分
  • (監督) 佐藤祐市
  • (出演) 小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之、酒井香奈子、宍戸錠
  • (ストーリー) ★★★★☆ (エンターテイメント) ★★★★☆ (再見度) ★★★★★

(あらすじ)

 売れないグラビアアイドル如月ミキが自殺して1年、彼女のファンサイトの常連である5人の男が追悼会に集まる。家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)ら5人は、思い出話で大いに盛り上がるはずだったが、「彼女は殺された」という言葉を引き金に、事態は思わぬ展開を見せ始め……。

(レビュー)

 公開時はそれほど話題になるわけでもなかったものの、クチコミレベルでどうやら面白らしいと評判、インタネットのレビューサイトなどでも軒並み高得点と、これは見るっきゃないと思ってた作品。
しかしながらTSUTAYA DISCASや楽天レンタルで上位にしてても、ちっともウチにこねぇ。なんでかなと、嫁が調べてみたら、どうやらどっちも

 在庫少な杉(近所のTSUTAYAでも在庫3枚と、そりゃこねぇわな・・・)。

仕入れ担当者は、ちゃんと作品の内容とか評判チェックしとんのか疑いたくなったけど、この度念願かない、やっとこさ見ることができた。
待たされただけに、大ハズシしたら怒るぞ!と思ってはいたけど(正直、邦画だけにそれもありかなと一抹の不安はあった。邦画ファンのみなさますみません)、残念ながら

 評判どおり面白かったっス。それもかなり(笑)

いやぁ、めったに当たりの作品にあたることはないんだけど、これは正真正銘"当たり"。想像以上の面白さだった。嫁なんか2回見てたもんね。

 内容は小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之のほぼ5人で進められる密室劇だったけど、見ててどうも舞台ぽい映画だなと感じてたら、やっぱり舞台化されたそうである。そちらの方に足を運んだ方もいることだろう。(但し、このまま舞台に持っていっても面白かったとは限らないと思うけど。)
あえて分かりやすい伏線を用意しておいて、本当のトラップ(どんでん返し)が実は別にあるという脚本がうまい。観客を自分の予想通りの展開だと、半ば悦に浸らせておいて、え、まさか!と思われるようなどんでん返しが終盤にたたみかけられる。この2重のトラップにやられた人も多いだろう。また、このどんでん返しのありえなさ、バカバカしさが最高にクールである。

 そしてこの作品のもう一つの見所は、ユースケ・サンタマリアや香川照之でなくて、主役の小栗旬。彼のよさが最近までよく分かんなかったけど、「クローズゼロ」とかこの作品を見て納得。序盤のマニアぶりや、終盤で一人だけ仲間はずれに感じてるシーンなど、クールな優男(と言っても彼はオイラよりでかくて180オーバーらしいけど・・・)という雰囲気と真逆の演技を肩肘張らずに自然にできるところが彼の魅力であり、この作品のポイントだったかもしれない。真面目な顔してバカをやれるところは、もはやオイラの中では阿部寛と双璧である。

 最後の宍戸錠、オイラ的には 有 だと思う。この作品の監督にちょっと注目したい。(2008年11月6日)

g@me.

g@me
73点
(嫁の評価80点)
  • (原題) g@me.
  • (製作) 2003年 日本 105分
  • (監督) 井坂聡
  • (出演) 藤木直人、仲間由紀恵、石橋凌、宇崎竜童、IZAM
  • (ストーリー) ★★★★☆ (エンターテイメント) ★★★★☆ (再見度) ★★★☆☆

(あらすじ)

 広告代理店のやり手クリエイター・佐久間俊介。彼は偶然に取引先の社長の娘・樹理という女性と出会う。彼女の「私を誘拐しない?」という言葉から佐久間が犯人、樹理が人質を演じる“誘拐というゲーム”が始まる…。

(レビュー)

 超藤木直人ファンの嫁に連れられて、この作品は確か公開初日に見に行った覚えがあるが、確か10人ちょいしか客がいなかった気がする。(まぁ、いつもそんなに混む映画館ではないんだけど、それにしても少なかった。もちろん男性オイラのみ!)顔ぶれも、明らかに藤木直人 ・仲間由紀恵 目当てのようないわゆるF1、F2層中心だった。

 しかしながらこの作品、トレンディーな雰囲気を予想していたら見事に裏切られて以外と面白い。主役2人も失礼ながらたいした演技じゃないんだけど、役柄にピッタリのキャスティングで意外とすんなりと見れるし、演技をしすぎてない分ジャニーズ系の役者より鼻につかなくて良い。
ストーリーに関しては推理小説の巨匠・東野圭吾 だけにぬかりはなく、最後にどんでん返しもちゃんと用意してくれている。脇役陣は石橋凌 、宇崎竜童 、IZAM となぜかミュージシャンで固められているものの、しっかりとした原作に出演者がヘンな肩肘を張らずに演じられているので全体的によくまとまっていて、ZEEBRAの曲とあいまってスタイリッシュな仕上がりとなっている。
ただ、二人のベッドシーンは全く必要なし!。まぁ、ファン向けのサービスショットだったんだろうけどね(笑)

大当たりってこともないけど、舐めてたら意外と面白かったってタイプの映画。土曜洋画劇場あたりでやってたら見てみるといいなじゃないかな。邦画ファンならDVD借りてもいいんでない?(2007年6月21日レビュー、2008年10月26日加筆)

(嫁2行レビュー)
  やっぱりカッコいい\(*´▽`*)/
内容は意外と!?おもしろいです

ザ・マジックアワー

ザ・マジックアワー
83点
  • (原題) The Magic Hour
  • (製作) 2008年 日本 136分
  • (監督) 三谷幸喜
  • (出演) 妻夫木聡、深津絵里、佐藤浩市、西田敏行、戸田恵子、綾瀬はるか、
  • (ストーリー) ★★★☆☆ (エンターテイメント) ★★★★★ (再見度) ★★★☆☆

(あらすじ)

 暗黒界の顔役・天塩幸之助(西田敏行)の愛人・高千穂マリ(深津絵里)に手を出してしまった手下の備後登(妻夫木聡)は、命の代償に伝説の殺し屋“デラ富樫”を探し出すハメに。期限の5日が迫ってもデラを見つけ出せない備後は無名の三流役者・村田大樹(佐藤浩市)を雇い、殺し屋に仕立てあげるという苦肉の策を思いつくが……。

(レビュー)

 この作品は佐藤浩市ファンの嫁に連れられ、なかば強引に映画館にて鑑賞(もちろんオイラの見たい映画はまず間違いなく却下されるんで、選択権はないけれど(涙))。ところで、タイトルは今気付いたけど、「マジックアワー」じゃなくて「ザ・マジックアワー」と先頭に"ザ"がつくらしい。(まぁ、そんなことはどうでもいいけど参考までに)

 さて内容、特に三谷幸喜に思い入れはないけれど、よかったんじゃないだろうか。「有頂天ホテル」もつまんない映画じゃなかったけど、この「ザ・マジックアワー」という作品、一言で言ってしまうと大爆笑というよりニヤリとさせられる映画って感じかな。
「釣りバカシリーズ」そのまんまの西田敏行の弾けっぷりは最高だし、佐藤浩市の三枚目ぶり(これは演じてるだけなんだけど)のギャップも見もの。さらにとどめとして、あの「水戸黄門」の格さんで有名な伊吹吾郎が真面目にバカをやっているが、くだらなくて最高にクール!!(褒めてます(笑))
でも、こんだけ有名でうまい俳優が揃えば、何でもできますわな。これも三谷幸喜の人徳によるものだろうけど、これだけの個性派をまとめ上げるあたりが三谷マジックというというところなのかな。ストーリーの落としどころも、きれいでバカバカしてくて良かった。

 兎にも角にもこのくだらなさ(繰り返しますが褒め言葉)は、「寅さん」や「釣りバカ」シリーズのバカバカしさが大好きな団塊オールスターズにはど真ん中だろう。定年して暇をもてあましているおっちゃん連中にはオススメ。(オイラの親父にもすすめとこう)

 個人的には寺脇康文のシーンが最高(ウチの嫁はどこに出てたか気付かなかったらしいっす)に笑わせてくれた。他にもたくさんの有名・個性派俳優がちょい役で登場していて、それを探すだけでも結構楽しめる作品。あっと驚く人もいろんなところで登場してるので、そういった見方もありじゃないかな。
一本で二度楽しめる作品。(2008年10月27日)

誰も知らない

誰も知らない
88点
(嫁の評価83点)
  • (原題) NOBODY KNOWS
  • (製作) 2004年 日本 141分
  • (監督) 是枝裕和
  • (出演) 柳楽優弥、YOU、加瀬亮、木村祐一、北浦愛、木村飛影
  • (ストーリー) ★★★★★ (エンターテイメント) ★★☆☆☆ (再見度) ★★☆☆☆

(あらすじ)

 あるアパートに越してきた母と子2人。母のけい子(YOU)は引っ越しの際、子供は12歳の長男の明(柳楽優弥)だけだと嘘をつく。実際子供は4人いて、彼らは全員学校に通ったこともなく、ある日アパートの部屋で出て行ったきり帰ってこない、母親の帰りを待って暮らしていたが……。

(レビュー)

 主演の柳楽優弥が2004年度のカンヌ国際映画祭において史上最年少及び日本人として初めての最優秀主演男優賞を獲得したことで大きな話題を呼んだ作品。
とにかく主演の柳楽優弥を含めて兄弟全員の表情と演技がすばらしい。これなら14歳でカンヌの男優賞を獲っても十分納得。

 最後までドキュメントタッチで描かれるているが、時折見せる主役の柳楽くんの愛想笑いや、怒り、やりきれない表情など、あのタランティーノが絶賛したのもうなづけるぐらい目の力が印象的だ。また他の幼い兄弟達の表情やセリフにも自然な演技が全編を通して光り、拙い演技力によってぶち壊しになってしう危険性を含んだ子供が主役の作品でありながら、しかっりと物語が成立しており、邦画の味のようなものさえ感じさせる。
もちろん基本的な演技力があってのことだろけど、ここまで穴の無いキャラクターと雰囲気づくりは、監督である是枝裕和監督の力量とその演出に他ならないだろう。

 また時折流れる主役の感情とリンクしたウクレレの旋律が、この決して早くない物語のテンポにアクセントをつけている。終盤で流れるボーカルつきの歌の場所が若干気になるものの、改めて音楽も映画の一部であり重要な要素であると感じさせられた。

 この作品で描かれるテーマは実話がベースになっているため極めて重いものの、ラストシーンで描かれる風景には、子供達兄弟の絆と自分達だけで前に向かって強く進もうという意思を感じる。世間の人たちは自分達のことを"誰も知らない"。でも母親がきっと帰ってくるその日まで、兄弟で力をあわせて頑張ろう。そんなけなげな心が最後まで印象に残った映画だった。

 邦画らしからぬ雰囲気の作品だけれども、こんないい邦画があるなんてビックリ。全く期待していなかった。近年の邦画の中ではナンバーワン!ちょっと邦画を見直したオイラでした。でももう一回見るにはちょっと重いかも・・・。 (2007年8月23日)

(嫁2行レビュー)
  子供達の表情がほんとに自然ですばらしいです(*TーT)bグッ!
ドキュメンタリータッチで丁寧に撮られててひしひしと伝わってくるものがありました

手紙

手紙
70点
(嫁の評価92点)
  • (原題) -
  • (製作) 2006年 日本 121分
  • (監督) 生野慈朗
  • (出演) 山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ、吹石一恵、尾上寛之、田中要次(
  • (ストーリー) ★★★☆☆ (エンターテイメント) ★★★☆☆ (再見度) ★★★☆☆

(あらすじ)

 直貴(山田孝之)の兄(玉山鉄二)は、弟の学費欲しさに盗みに入った屋敷で誤って人を殺し服役中だった。大学進学もあきらめ、工場で働く直貴の夢は幼なじみの祐輔(尾上寛之)とお笑いでプロになることだったが、毎月刑務所から届く兄の手紙が彼を現実に引き戻す。そんな彼を食堂で働く由美子(沢尻エリカ)が見ていて……。

(レビュー)

 コレ実はちゃんと見てない。チラ見ていうかほとんどが聞いてたので(でも最後までチラ見はしてた)レビューするかは戸惑ったが、嫁大絶賛映画なのでレビュー。(それでいいのか俺?)

 とにかく泣ける映画、普通の人なら泣ける(BY嫁 オイラは普通じゃナイ?)らすぃ。展開に大きなひねりはないものの、とにかく最初から観客を泣かしに来てるのをアリアリと感じさせる。(この辺に違和感を感じたのでオイラは真剣に見なかった)

 山田孝之も沢尻の演技も及第点ながらあんだけ「パッチギ」で完璧な関西弁を操っていた沢尻が、目茶苦茶なイントネーションの関西弁をその気になって話していたのが痛恨の一撃だった。

 オイラのイメージからすると東野作品にしては直球勝負て感じだろうか。しかしオイラ彼の小説は読んだことない・・・。てか最近活字読んでねぇなぁ。あくまで映画やドラマでのイメージてことで(笑)。(2007年7月11日)

(嫁2行レビュー)
  泣いちゃった〜こんなに泣いた映画はじめてかも"(/へ\*)"))ウゥ、ヒック
原作と比べるといろいろつっこみどころはあったけど、それを差し引いてもすばらしい

DEATH NOTE デスノート the Last name

DEATH NOTE デスノート the Last name
64点
(嫁の評価85点)
  • (原題) -
  • (製作) 2006年 日本 140分
  • (監督) 金子修介
  • (出演) 藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香、藤村俊二、鹿賀丈史、片瀬那奈
  • (ストーリー) ★★★☆☆ (エンターテイメント) ★★★★☆ (再見度) ★☆☆☆☆

(あらすじ)

 死神のリュークが落とした“デスノート”を手にし、殺人鬼キラとして凶悪犯を抹殺してきた夜神月(藤原竜也)。恋人が死んだ事件をきっかけに、キラ事件の捜査本部に入り込んだ彼は、キラ事件を解明するためにインターポールが送り込んできた天才青年L(松山ケンイチ)と壮絶な頭脳戦を繰り広げることになる。

(レビュー)

 この映画を見た人のほとんどは、オイラを含めて原作をすでに読んだことある人が大多数だろう。それだけに展開よりも、映画化でどこまで原作の世界観が再現されてるかに注目して見た。ストーリー展開からいくと、時間的制約があるため多少の変更などはあったっけど、ラストを含めて思ったよりも忠実に進められていたような気がする。原作者やほとんどの原作ファンにとっても十分納得の内容だろう。次にキャスティングについてだけど、主要な出演者は原作とイメージは違う人もいたが、キャラクターの良さを失うことなく演じきれていたのではないのかな。最初、ミサミサを戸田恵梨香が演じると聞いたときはどうなることかと心配だったけど、見終わる頃には原作のミサミサてどんなんだったっけ?と思い出すのが困難なほどフィットしてた。また主役級の二人については全くダメ出しの余地は無かった。イメージ通りだったと思う!

 さてここまで褒めたがここからけなします(笑)
まず、最後の1年後のシーンは無いほうが良かったような気がする。尺からいっても無くても十分だった。この辺は原作通りに行った方がよかったのでは?次に演出面だけど、さくらテレビ祭りのシーンでのエキストラの演技力と展開がとても酷かった。そしてエル達がキラ探しに使う建物。これはウルトラマンの基地か?と思わせるぐらいのチープさ(映画の内容との異質感)がたっぷり。どちらについても子供向けのテレビドラマの予算しかなかったんかい!と感じてしまった。これがハリウッドなら、こういうところはしっかり作りこんできただろうに、残念な所だった。。あと死神二人についても、もっと不気味な感じには仕上げればよかったかもしれない。オイラも含めて人によってはこの部分が映画を台無しにしてると感じるかもしれない。前作のクオリティーは良くも悪くも保ててる。原作を読んでない人が楽しめるかは微妙なところ。(2007年5月16日)

(嫁2行レビュー)
  チープなとこは多々あったけど、原作をうまくまとめてて満足×2
ラストは原作よりスキ(*´∇`*)

電車男

電車男
70点
  • (原題) -
  • (製作) 2005年 日本 101分
  • (監督) 村上正典
  • (出演) 山田孝之、中谷美紀、国仲涼子、瑛太、佐々木蔵之介、木村多江
  • (ストーリー) ★★★☆☆ (エンターテイメント) ★★★★☆ (再見度) ★★★☆☆

(あらすじ)

 電車内で暴れる酔っ払いから女性(中谷美紀)を助けたオタク青年、通称・電車男(山田孝之)。彼女に心惹かれた電車男だったが、これまで女性に縁がなかったので、どうしたらいいかわからない。そこで彼はインターネットの世界に助けを求め……。

(レビュー)

 ネット経由で口コミで拡がり、ついには単行本化されてベストセラーになった同名タイトルを、そのままの勢いで映画化した作品。なんと最終的には興行成績は37億円までいったらしいから、映画の種なんてどこに転がっているか分からない。

 2ちゃんねるを始めとするネットの掲示板を使ったことがある方なら当然ご存知だろうが、中には誹謗中傷、意味不明な書き込みはあったものの、単行本と同じくストーリーには反映されていない。(きり番ゲッツとかやってくれると面白かったんだけど(笑))
ちなみに主人公のハンドルネーム"電車男"じつは当初ナンバーの731を名乗っていたのだが、盛り上がるにつれて電車男と名乗るようになったらすぃ。

 うんちくはこの辺にして、さて内容についてだが、ネット掲示板にいるであろう無数の2ちゃんねら〜の登場人物を、主婦や会社員を始め、引きこもりや、夜勤の看護婦、ヲタクの同志など最低限にそして厳密に絞り込むことにより、いつの間にか観客も電車男を見守る登場人物の誰かと一体化させられているのは、設定の段階での勝利だろう。おそらく登場人物に自分と似たタイプの人間がいなかったということはないだろう。ここがこの作品の絶妙なところである。この辺りはドラマ版で、ネットの住人をたくさん登場させすぎて収集がつかなくなったのと対照的であり、映画版よりあとに作られたのにまったくそれが生かされていなかったいうのは、ちょっと情けない所だった。主役の山田孝之に多少ヲタクとしてのリアリティーがないとしても、これは日本人になら誰にでも楽しめるシンデラストーリーだと思う。外国人に理解できるかと考えれば疑問が残るが、そう考えると逆に日本人のメンタリティーがよく詰まった作品と言えるかもしれない。果たしてヲタクが楽しめるかは微妙だけど、実際の2ちゃんねるの中で電車男が助けた"中谷美紀似の女性"役に中谷美紀本人が出ていたのは、原作を読んだ人には思わず笑わされた所だろう。本筋だけでなく主婦と会社員の男性のサイドストーリーがひっそり同時進行で進んでいたのもなかなかよかった。ありそうでなかった題材を、ここまで映像化したことは十分評価に値する内容だと思う。(2007年8月24日)

ドラゴンヘッド

ドラゴンヘッド
8点
(嫁の評価57点)
  • (原題) DRAGONHEAD
  • (製作) 2003年 日本 122分
  • (監督) 飯田譲治
  • (出演) 妻夫木聡、 SAYAKA、 山田孝之、 藤木直人、 近藤芳正、 根津甚八
  • (ストーリー) ★☆☆☆☆ (エンターテイメント) ★★★☆☆ (再見度) ★☆☆☆☆

(あらすじ)

 ある日、東京へ向かう新幹線が、原因不明の事故を起こした。だが、この惨事の中で、修学旅行帰りの高校生、青木テルと、同級生の瀬戸アコ、高橋ノブオの3人だけが奇跡的に生き残り、彼らは救助を待つことに。しかし、誰も彼らを助けに現われず、トンネル内はますます闇に覆われていき、ノブオは恐怖のため次第に精神に異常を来たしていく。そんな混乱の中、テルとアコは暗闇の恐怖を逃れるため地上に脱出するが…。

(レビュー)

 この作品は週刊ヤングマガジンで連載されていた同名作品を実写化した作品で、制作費20億円をかけ撮影のほとんどはウズベキスタンで行われた。
確かにセット規模といい、ラストのマグマが吹き上げ火山ができるシーンなどを含めて、さすがお金かかってるなぁと感じさせるほどVFXは良く出来ており、従来の邦画にはないリアルな映像と迫力を感じさせる。この辺は必見だ。

 しかし、残念ながらこの作品で褒める場所はお世辞にもそこしか見つからない。もう突っ込みたい所だらけだ。まず演技に関してだが、若手陣にどうも切迫感が感じられない。SAYAKAも含めて大根とまではいかないが、稚拙さが目に付いたのはオイラだけはないはずだ。ただこの辺は、特に気にしなければスンナリと見ることは出来るのであまり突っ込まずに話をすすめよう。次にストーリー面に関してだが、一体どういう方向に持って行きたいのか、何を言いたいのかメッセージ性を全く感じられない。これも、もともと原作自体が支離滅裂な方向に進んでいたために、忠実に映像化すればこうなることは目に見えていたので、(元々この漫画自体の面白さにオイラは理解できなかったので)まぁなんとか許すことはできるし同情できる。しかしながらやっぱり問題は演出面だ。妻夫木いくらなんでも転びすぎ、SAYAKAも足からちょっと血がでてるぐらいでびっこを引くことない、大人数が登場するシーンでのエキストラのエキストラ丸出し感たっぷりの演技・・・などなど、見てて、もう色んなところが破綻している。最後の噴出すマグマを前に妻夫木が叫ぶシーンに関しては、久しぶりに声を出して笑ってしまった。もうストーリーどうこう言うようりも、これは監督の責任だろう。ある種ミラクルな作品だ。この映画と製作陣に20億もの大金を出した映画会社に敬意を表したい。また映画感にてこの作品を鑑賞してしまった人たちには大いな同情する。オイラは図書館で借りたので(ただじゃなければ手を出すわけがない)お金が一銭もかからなかったのがせめてもの幸いで、それにしてもよく最後まで我慢して見たなと思う。予想以上の面白さにビックリだ。 (2007年7月29日)

(嫁2行レビュー)
   意外と!?楽しめたのですが、ラストで台無しのような・・・
SAYAKAちゃんはきびしいですね(;´▽`A`` 髭を生やした直人も(゚∇^d) グッ!!

パッチギ!

パッチギ!
83点
  • (原題) -
  • (製作) 2004年 日本 119分
  • (監督) 井筒和幸
  • (出演) 塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、真木よう子、小出恵介、波岡一喜、オダギリジョー
  • (ストーリー) ★★★★☆ (エンターテイメント) ★★★★★ (再見度) ★★★★☆

(あらすじ)

 1968年、京都。高校2年生の康介(塩谷瞬)は、担任からの指示で親友の紀男(小出恵介)と敵対する朝鮮高校に親善サッカーの試合を申し込みに行く。そこで康介は音楽室でフルートを吹くキョンジャ(沢尻エリカ)に一目惚れするが……。

(レビュー)

 邦画とはかなり相性の悪いオイラだが、コイツは素直に面白かった!まじオススメ!井筒作品に対して特にコレといった印象はなかったけど、これは明らかに代表作になるべき作品だろう。在日問題を取り上げたプロパガンダとか、反日映画とか騒いでる人間がいるが、はっきり言ってそれがどうした?というのがオイラの本音だ。暴力を肯定してるとか、子供に見せられないとか言う人もいるが、はたして今どきの人間がそこまでメディアに影響されるだろうか?もちろん暴力シーンなどに関しては映画独特の過剰演出もあるが、なぜ素直にコレを在日朝鮮人をベースとして描かれているエンターテイメント作品として楽しめないのだろう?在日問題もケンカも恋愛も音楽も、すべては身近にある事実なのである。そこに娯楽という色付けをして映画にまとめあげただけなのに、見る人間によっては過剰反応も過剰反応。そういう人間に限って何かやましいことでもあるんじゃないかと深読みしてしまう。と批判への批判はここまでにしといて内容だが、日本人オールスター共演とは言い過ぎかもしれないが、各所に個性的な俳優・タレントが出演していて、彼らが出すぎることも無く埋没することもなく、いい意味でフィットしていて、色々ニヤリとさせられる場面があり楽しめた。コレも井筒作品の真骨頂と言うところだろうか。演出に関してはさすがの一言である。笑いや音楽の使い方も絶妙で、最後に涙をホロリとさせる所など思わずうならされてしまった。ただ最初から最後まで高いテンションで飛ばしすぎたストーリー展開(とちゅうでビーバップハイスクールを思いだした)だっただけに、もう少し落ち着く場面があれば緩急利いてもっとよい作品に仕上がったのではないだろうか。どうでもいいことだが、沢尻この頃は関西弁しっかり使えてるね。清楚でいい演技してるし、一体この後に何があったんや?(笑)(2007年5月20日)

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
77点
(嫁の評価72点)
  • (原題) -
  • (製作) 2006年 日本 116分
  • (監督) 馬場康夫
  • (出演) 阿部寛、広末涼子、吹石一恵、伊藤裕子、劇団ひとり、小木茂光、森口博子
  • (ストーリー) ★★★☆☆ (エンターテイメント) ★★★★★ (再見度) ★★★☆☆

(あらすじ)

 2007年。着実に回復していると思われた日本の景気だが、その実態はさらに深刻な危機にさらされていた。バブル崩壊後の景気対策のために増えた国債は800兆円にのぼり、国家崩壊は時間の問題だった。この最悪のシナリオに終止符を打つため財務省特別緊急対策室の下川路功(阿部寛)は、ある計画を極秘に進めるが……。

(レビュー)

 この作品はまさしくバブル期に「私をスキーに連れてって」(1987年)「彼女が水着にきがえたら」(1989年)「波の数だけ抱きしめて」(1991年)など、当時ヒット作を連発させたクリエーター集団"ホイチョイ・プロダクション"によって製作された作品である。さすがバブルを満喫し、流行と文化のど真ん中にいた人達が作った作品でだけあって、万札振ってタクシー止めたり、船上パーティーのエピソードなど噂話でしか聞いたことないようなエピソードも、やっぱり現実だったんだなぁと妙な関心を持って見てしまった。(そういう甘い蜜を吸ったのはごく一部の人間だったのは間違いないが・・・)しっかし、さすがホイチョイ・プロダクション。バブルに対する自虐的なネタが多数あるものの、反省や回顧なんてこの物語からは全く感じられない。あくまで終始バブルさいこ〜てスタンスが、もうあきれ果てたというか潔くて、見ててもう好きにやってくれという雰囲気にさせられる。そこへ持ってきてタイムマシーンはドラム式の洗濯機である。登場人物も、もうぶっ飛びまくりのやりたいほうだい、広末もかんざし持って大立ち回り。そこへ持ってきてバブル期の権化ともいうべき阿部寛の登用、ここまで悪びれずに最後までやられると、もう参りましたという言葉しか見当たらない。ストーリーや演出もどっかで見たシーンばかりである。でもこのへんも確信犯だろう。ありえない話をありえないぐらいB級映画のノリに徹することによって、最後までありえねぇ〜と感じさせられた。ドカーンといった笑いはないものの、ありえねぇ〜!て感じたらもうこの作品の思う壺である。でも薬師丸ひろ子のバブル期の若返りはちょっと無理があったよなぁ。劇団ひとりもちょっと現代で老け過ぎ。なんで17年で大学生がああなるの?でも、そういう細かいところに全くこだわってないところが、この作品のいい所なんだけどね・・・。
(2007年9月4日)

(嫁2行レビュー)
   全体的に楽しく見れました〜♪
30歳以上の人は懐かしくて楽しめますよ(・ω・)bグッ

ゆれる

ゆれる
62点
(嫁の評価80点)
  • (原題) -
  • (製作) 2006年 日本 119分
  • (監督) 西川美和
  • (出演) オダギリジョー、香川照之、真木よう子、伊武雅刀、蟹江敬三、木村祐一
  • (ストーリー) ★★★★☆ (エンターテイメント) ★★☆☆☆ (再見度) ★★★★☆

(あらすじ)

 東京でカメラマンとして成功している猛(オダギリジョー)は母の一周忌で帰省する。彼は実家のガソリンスタンドを継いだ独身の兄の稔(香川照之)や、そこで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会し、3人で近くの渓谷に行くことにする。猛が単独行動している間に、稔と渓谷にかかる吊り橋の上にいた智恵子が転落する。

(レビュー)

 それぞれの兄弟の間でゆれる感情と絆。それを吊橋にかけていて、あたかも小説を読んでいるような感覚にさせられた作品。出演者も全員すばらしい演技ながらも、見終わったあとの感覚は微妙。それは事件の真実(監督の意図するストーリー展開)がイマイチはっきりしない、などどうも???な部分が多かったせいかもしれない。こういう見ている人間に考えさせるところが、いかにも評論家好みの内容なんだろうけど、オイラには話の進むリズム感も含めて違和感(話に入れない・登場人物に感情移入できない)を感じた。確信犯的に最後をグレーにもっていっているのは構わないが、ストーリーとしての落とし所がもうちょっとあれば、すべての人が納得できる作品に仕上がってたかもしれない。(まぁグレーなところがこの映画の味ではあるけど)この作品はおそらく2回も3回も繰り返し見ていけば味が出てくる、小説のような作品だけど、予備知識を持たずに一期一会な見方をするオイラににはちょっと難しすぎてボカシ過ぎた作品に感じた。ストーリーや描こうとする話の狙いは分かる。ただ、作り手の独りよがりな雰囲気、または小奇麗ないかにもセンスよく仕上げましたよというような演出が、わざとらしくて(鼻について)どうもオイラには受け入れがたくて、切ないながらも人には勧めにくい作品に感じた。漫画世代にはちょっと辛く、活字世代にはピッタリの映画だが、果たしてネット世代がどういう見方をするかが非常に気になる作品。最後オダギリジョーの涙は感動するところなんだけど、いかにも!って感じでオイラは興ざめだった。(2007年5月15日)

(嫁2行レビュー)
  キャストも脚本も(゚∇^d) グッ!! 
見てる側もゆれちゃって考えちゃうこういう作品好き

(ストーリー)オリジナリティー・どんでん返し・演出・キャスティング・テンポ(エンターテイメント)笑いや爽快感、見易さ(再見度)もう一度見たいかどうか